柿渋は渋柿の未熟な果実を粉砕、圧搾して得られた柿タンニンを多く含んだ汁液を発酵・熟成させて得られる、赤褐色で半透明の液体です。
平安時代から用いられ、漆の下塗りや下級の侍が着ていた「柿衣」などの衣類に使用しり、火傷や霜焼、血圧降下や解毒などに効くとして盛んに利用されていたそうです。また、即身仏(ミイラ)に塗布したり、強度を増すために水中で用いる魚網や釣り糸の防腐、木工品や木材建築の塗装の下地塗り、外壁の塗装にも使用されまた。更に紙に塗って乾燥させると硬く頑丈になり防水機能も有するようになるため、かつてはうちわや傘、紙衣の材料として用いられていました。近年は、シックハウス症状を起こさない塗料として再評価されつつあるそうです。
写真は、文政11年創業(1828)の柿渋の老舗「柿新」です。
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