梅香

 茶の湯では、炉には「煉香」、風炉には「沈香」や「白檀」の香木を用い、炭からでる不快な臭いを押さえます。煉香は、平安時代の貴族たちが、粉末にした香木や香原料を蜜などを独自の調合により煉りかためたのがはじまりです。まさに日本人の美意識と季節感をあらわした薫物です。その代表的な香りが黒方、梅花、荷葉、菊花、侍従、落葉の「六種(むくさ)の薫物」が今日伝わっています。



  茶

 松垣のひまもり

  いつるたきものの

   梅か丶かほる苔の

         庵かな

       前中納言持豊


芝山持豊の詠草「茶」です。苔むす庵の炉につがれた梅花が、松垣の隙間から洩れ薫ります。「茶」とはそういうものなのです。

 いよいよ茶室の炉も閉められ、明日、5月1日から風炉の季節となります。

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前出の通り、松斎(歓深院降龍)が安政2年(1855)の元旦に亡くなり、2月5日に得浅斎は喪主として本葬を勤めている(『鐘奇斎日々雑記』)。この時、得浅斎は36歳の働き盛りであった。同十二日には恒例の利休忌を卜深庵で勤めている。得浅斎は喪中にも関わらず、流祖利休の追善の茶会を催している。 そしてこの時期の得浅斎は前後して多くの不幸に見舞われている。同年3月2日には義母の柳(教深院貞寿)が松斎の後を追