梅香

 茶の湯では、炉には「煉香」、風炉には「沈香」や「白檀」の香木を用い、炭からでる不快な臭いを押さえます。煉香は、平安時代の貴族たちが、粉末にした香木や香原料を蜜などを独自の調合により煉りかためたのがはじまりです。まさに日本人の美意識と季節感をあらわした薫物です。その代表的な香りが黒方、梅花、荷葉、菊花、侍従、落葉の「六種(むくさ)の薫物」が今日伝わっています。



  茶

 松垣のひまもり

  いつるたきものの

   梅か丶かほる苔の

         庵かな

       前中納言持豊


芝山持豊の詠草「茶」です。苔むす庵の炉につがれた梅花が、松垣の隙間から洩れ薫ります。「茶」とはそういうものなのです。

 いよいよ茶室の炉も閉められ、明日、5月1日から風炉の季節となります。

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石ひとつ

石ひとつ筆にも濡れて初時雨 武者小路千家11代家元一指斎が友禅染地露地絵に発句を書いています。 十徳を着た宗匠が正客で、次客と末客は裃を着用し腰に脇差をさした武士です。時雨が降っているのでそれぞれ露地笠をかざし下駄を履いて飛び石をすすんでいます。初時雨ということから炉開き、または口切の茶事に招かれたのでしょうか?よく見ると正客と次客の間の飛石があとから墨で書き加えられています。着賛された発句の「筆

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