今日は立冬です。旧暦(太陽太陰暦)9月19日。今年は旧暦(太陽太陰暦)では閏年にあたり5月の次に閏5月がありました。だから通常は1年が12ヶ月ですが、今年は13ヶ月あります。
旧暦は太陽と月の運行を実際に観測し、暦の1ヵ月は新月(朔日)からスタートし次の新月(朔日)の前日までとする「朔望月(さくぼうげつ)」となっています。そして旧暦は1年の長さ、すなわち1太陽年が季節と暦のずれが最小になるように工夫しています。具体的に月は地球を約29・5日で一周し、1ヶ月はそのため29日の小の月と30日の大の月が不規則に現れます。この大の月と小の月をを組合せて 12ヵ月 (平年) とします。なお、月の大小の並べ方には実際の朔に合せていく「定朔」となっていて新暦(太陽暦)のように毎年定まっていません。ところがその12ヵ月は354日で、1太陽年が11日に足りなくなります。そのため3年では33日も日付と季節がずれてしまうことになります。そこで8年に3回、19年に7回閏年をいれて季節と日付の食い違いを1ヵ月以内にとどめようとしました。 閏年は13ヵ月 となり 383日となります。
今年は格別暑い夏が長き、立冬直前まで夏日が続く以上な天候でした。その分秋が短かったように思います。あっという間に秋が過ぎ冬がやってきた気分です。
写真の軸は私が描いた時雨の絵に大徳寺管長髙田明浦老師が「流水寒山路」と着賛してくださったものです。
今から6年前、50歳の時に半白の連会茶事を黒谷の西翁院「淀看席」で催しました。淀看席は藤村庸軒好みの名席で国の重要文化財の指定をうけています。西翁院の宮川住職の格別のご高配で、初炭から始まり懐石、濃茶、後炭、薄茶とすべてを淀看席でしました。
まことに名誉なことに、老師がその連会茶事にお祝いにお越しくださいました。当日は老師を正客に相伴にお供の雲水、詰めとして父徳至斎による会でした。かってない緊張した茶事で、私にとってはこの上もない修行となり、生涯の宝ともいうべきありがたい茶事となりました。
この茶事の記念に私が描いた絵に老師がこの句を認めてくださいました。まことにありがたいことです!名誉なことです!わが家の家宝の1つです‼︎
出典は義堂周信と並んで五山文学の双璧とうたわれた絶海中津の『蕉堅稿』で、
流水寒山路 深雲古寺鐘
流水寒山の路(みち) 深雲(しんうん)古寺の鐘
谷川の水音を耳にしながら、山路を歩いていけば、遠くから寺の鐘が聞こえてくる情景を読んだものです。静かな自然の情景そのものが、ほとけの姿であるという意味も含んでいます。
立冬、今日からいよいよ本格的な冬の始まりです。
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