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執筆者の写真: 木津宗詮木津宗詮


  晋

   相国大龍(印)

 臨済宗相国寺派管長で相国寺、金閣寺(鹿苑寺)、銀閣寺(慈照寺)の3か寺の住職を兼務している有馬頼底(大龍窟)老師の墨跡「晋」です。 平成年(2004)11月7日に慈照寺(銀閣寺)で乱飾と斎号「桜斎」の披露茶会を催しました。その時に老師からお祝いとしていただいた軸です。これからどんどん「すすむ」ようにとの気持ちを込めて書いて下さったとのことです。 「晋」の本字は「㬜」で『説文解字』には「進むなり。日出でて萬物進む。」とあります。また「易に曰く、明、地上に出づるは㬜なり」と『易経』の晋を引用しています。字形は日+臸(ジツ・いたる)の会意(二つ以上の漢字を組み合わせ、その意味を合成して独立した文字とするもの)です。そこで「晋山」は山にすすむで、僧が新たに寺(山)の住職に就任することです。 白川静は、臸は鏃を表す字で、下は「日」ではなく鋳こみの流し口を表す「曰」とし、鏃の鋳型表す字であるとしています。そして「箭」の初文としています。初文とは文字が生まれた当初の形のことをいいます。そしてその文字が使われていくうちに言葉が多義化し、それに伴ってそれぞれの用途のための文字が分化して別の文字が作られていきました。それを「繁文」といいます。

 老師が私により一層高所にすすむようにとのことでくださった掛け軸です。もっとガンバラなければ!




 

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