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執筆者の写真木津宗詮

雨降地上湿

七十七翁

宗詮(花押)

雨降って地上湿う


初代の木津松斎木津宗詮の一行です。わたしから六代まえの宗詮です。茶家としての卜深庵木津家の創始者です。今から168年前の安政2年(1855)81歳で亡くなっています。

さて、内容はまさにその通りです。雨こそが万物を育むのに欠かすことのできなものです。雨に関する語は数えきれないほどあります。そこで雨について思いつく言葉を以下に記します。

霧雨(きりさめ)・小糠雨(こぬかあめ)・小雨(こさめ)・時雨(しぐれ)・俄雨(にわかあめ)・村雨(むらさめ)・村時雨(むらしぐれ)・片時雨(かたしぐれ)・涙雨(なみだあめ)・天気雨(てんきあめ)・大雨(おおあめ)・豪雨(ごうう)・雷雨(らいう)・長雨8ながあめ)・風雨(ふうう)・スコール・集中豪雨(しゅうちゅうごうう)・ゲリラ豪雨・春雨(はるさめ)・菜種梅雨(なたねつゆ)・五月雨(さみだれ)・走り梅雨(はしりつゆ)・梅雨(ばいう、つゆ)・緑雨(りょくう)・秋雨(あきさめ)・寒の雨(かんのあめ)・狐の嫁入り(きつねのよめいり)・氷雨(ひさめ)・甘雨(かんう)・酸性雨(さんせいう)・慈雨(じう)

もっともっと雨に関する言葉がたくさんあるのだと思います。当然のことですが、人類発祥以来、古今東西・民族・国家を問わず、私たちは雨とは切っても切れない関係にあるからこそ、多くの言葉が生まれたのだと思います。

干天に潤いをもたらす雨はまさに慈雨です。程度を超えた雨は、まさに恐怖の雨に変貌します。その雨は洪水や土砂崩れといった災害をもたらし、多くの人命に関わる大惨事となります。今年の梅雨も、まさに私たちに恩恵をもたらす慈雨であってほしいものです。

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