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執筆者の写真木津宗詮

 禅宗の寺院で庫裡(くり・台所)にかけ、坐禅をやめる(開静・かいじょう)時刻や食事の時刻を大衆(だいしゅ)に知らせるため打ち鳴らす器具に「雲版」というものがあります。高所に吊り下げて空の雲の形を模しており、その形から「 雲版と呼ばれています。雲は雨をもたらすことから鎮火・防火の象徴とだそうです。

 これを打つとものすごい大きな音が鳴ります。禅寺の鳴らし物には、堂内に響かせるためのものと、堂外の別の建物に伝達するためのものがありこれは後者です。広大な道場全域に食事の開始や、坐禅の終わり、法要の開始を伝えるために慣らすので大音量の必要性があるのです。






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