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杉木普斎手造り黒茶碗

 大好きな茶人の一人杉木普斎の手造りの黒茶碗です。

 宗旦に師事し、その没後は武者小路千家の一翁宗守から台子の伝授を受けて総仕上げをしました。

生涯清貧に甘じ、利休から連綿と受け継がれてきた千家の茶の湯の真髄を各地に広めることだけに一生をかけた茶人でした。

 この茶碗は比較的小振りで、口辺と腰下に箆目を残し、口端はやや内に抱え込まれています。直線的な胴に丸みのない高い腰、高台と高台脇以外には黒釉がかけられ、小振りな高台内は頭巾に削られています。そして高台脇に「普斎(花押)」と箆彫りが施されたいかにも素人らしい作行きの茶碗です。

かつて流儀機関誌『起風』に普斎について連載した時、この茶碗をはじめ普斎の自筆の辞世が認められた肖像画など、普斎ゆかりの道具が種々手元に集まりました。普斎との深い縁を感じています。

 普斎の筆跡や自作の茶杓は、まことに流暢でのびのびとしたものです。そしてこの上もなく豪放で力強い作風です。それに比べてこの茶碗は肖像画同様、どこか優しさを感じさせてくれ、その反面、緊張感を漂わせています。

 私はこの茶碗を手に取るたび、いつも普斎と出会っているいるような気持ちに浸ります。













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