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執筆者の写真木津宗詮

和製ノギス

昔から物を挟んで物の外側の寸法を測ることは行われていました。16世紀のポルトガルの数学者ペドロ・ヌネシュが目盛りを付け寸法を測る「ノギス」を考案したとされています。ペドロ・ヌネシュのラテン語表記が「ペトルス・ノニウス」で、その「ノニウス」が訛って日本では「ノギス」と呼ばれる様になったそうです。英語では「バーニヤキャリパー」と呼ばれています。これは、17世紀にノギスを正確な読み取りが出来る「キャリパー構造」を完成させたフランス人のピエール・ヴェルニエの英語表記「ピエール・バーニヤ」による名前だそうです。

写真は箱屋や茶碗屋などが使っているものです。名称はありません。仮に「和製ノギス」としておきます。2つのクチバシに茶碗や水指などを挟んで、備え付けられた竹定規で寸法をとります。外側の測定や内側の測定・深さの測定・段差の測定が出来る優れものです。

もともとこの和製ノギスを必要とすらところは限られているので、業者が既成の物を作って売るには採算が取れないとのことで商売にならないことから、箱屋が自身で作る物なのだそうです。茶碗屋などで用いられているものも箱屋が作ったものです。箱屋も茶碗屋も高齢化と安価な中国製の品物が大量に入ってくることによりどんどん廃業していてこの和製ノギスもどんどん姿を消していっています。用いられている竹定規は尺貫法による目盛りのついたものです。これも今では手に入らなくなっています。


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