木津宗詮8月2日読了時間: 2分愛蓮説杉木普斎筆「愛蓮説 楽志」です。 水陸草木之花、可愛者甚 蕃。晋陶淵明独愛菊。 自李唐来、世人甚愛 牡丹。 予独愛蓮ノ出淤泥 而不染、濯清漣而不妖、中通外直、 不蔓不枝、香遠益清、亭亭浄植、 可遠観而不可褻翫焉。予謂、菊 花ノ隠逸者也、牡丹ノ富貴者也、...
木津宗詮6月9日読了時間: 2分6月9日稽古場の床本日の東京稽古は、松平不昧公の詠草を床に掛けました。花は花菖蒲を宗全好み蝉籠です。 思事宇多幣婆那藝奴言霊之 幸波布験麻佐斯加利計理 蘭室主人 思事うたへばなぎぬ言霊(ことだま)の 幸(さき)はふ験(しるし)まさしかりけり...
木津宗詮6月6日読了時間: 1分5月30 稽古場の床1本日の祇園稽古場は、大綱宗彦の竪詠草「新樹妨月(しんじゅつきをさまたげる)」を掛け、更紗卯木と美中柳、京鹿子、鉄仙、蛍袋を手付籠に入れました。 新樹妨月 大綱 心なくしけりにけりなわかみとり のきはの月を余所にへたて丶 美しい若緑の木々の葉が、無分別に茂ったおかげで、軒端の...
木津宗詮6月6日読了時間: 1分5月28日稽古場の床鈴鹿の椿大神社の稽古。床に少庵350年忌の折に三千家家元により認められた扇面「緑水青山」を掛け、宗全籠に蛍袋、甘茶、下野、虎の尾、糸葉春車菊を入れました。 緑水 守(花押) 青 左(花押) 山 室(花押) この時の家元は武者小路千家は先代有隣斎、表千家は先々代即中斎、裏千家...
木津宗詮6月6日読了時間: 2分5月20日稽古場の床本日の大阪稽古場の床は、大徳寺の無学宗衍の墨跡「薫風自南来 殿閣生微涼」です。白山の鉈籠に露草、段菊、姫小判草を入れて床柱に掛けました。 薫風自南 来 殿閣生微 涼 前龍寶無学書(印) 唐の文宗が前半の句を作り、柳公権が後半をつけた詩が元になっています。...
木津宗詮5月23日読了時間: 1分西雲院朝鮮出兵である文禄の役の時に日本に連行された朝鮮人宗厳が建立した西雲院です。 宗厳は滝川雄利の娘に仕え、その死後な出家し、法然上人由縁の紫雲石を当時の黒谷金戒光明寺の住職から与えられて同院を開山しました. 宗厳は一心不乱に念仏を唱え、その元に多くの僧俗が集まり、千日念仏惣回...
木津宗詮5月21日読了時間: 3分王鞬南(おうけんなん)黒谷金戒光明寺の塔頭西雲院はは、安土桃山時代の慶長文禄の役で捕らえられて日本に連れて来られた李氏朝鮮の宗厳が開基になる寺です。 西雲院の山門をくぐった左側に、蓮台に坐して左足を垂らし右足を左足の太ももの上で組んだ半跏趺坐(はんかふざ)で、右手に蓮華を持ち、チベット仏教のラマ...
木津宗詮5月20日読了時間: 1分春日燈篭世に春日燈篭と呼ばれる燈篭は数え切れないほどたくさんあります。 一般的に春日燈篭とは、火袋は六角柱で,二面に雌雄の鹿,他の二面に雲形の日月が彫られ,残りの二面は彫りぬかれたものをいうそうです。この燈篭の元になるものが春日大社にあることからの命名とされています。...
木津宗詮5月18日読了時間: 2分土田湖流2昨日、薄さんのお宅で拝見した土田湖流遺愛の茶箱を見せてもらいました。実際は3代聿斎好みの一閑張りの菓子器です。かつて私が手に入れたのがこれです。側面に杜甫の絶句の一節が朱漆で認められています。 両箇黄鸝鳴翠柳 一行白鷺上青天...
木津宗詮5月18日読了時間: 2分土田湖流清技会のメンバーの一人袋物師その親族が大阪の堺市にいるとの情報があり、本日、お宅を訪ねました。そしてとても有意義な情報を提供してくださいました。 これまで土田湖流は千家十職袋師六代土田友湖の弟で、友湖の流れを大阪に伝えるということから湖流と号し、愈好斎襲名記念鶏頭裂帛紗を製...
木津宗詮5月10日読了時間: 2分園城寺天正18(1590)年、豊臣秀吉が行った小田原攻めに従軍した利休が、伊豆韮山(にらやま)の竹で作った一重切花入が「園城寺」です。凱旋した利休が息子の少庵に贈ったとされています。竹花入の嚆矢とされています。 印象的な正面の縦に入る大きな割れ目が景色となっています。割れ目の縦の...
木津宗詮5月9日読了時間: 1分越溪茶(政所茶)売茶翁が絶賛した「越溪茶」は、鈴鹿山脈に源を発する愛知川の支流、御池川の谷間、政所の地で作られた茶です。「宇治は茶所、茶は政所」と茶摘み歌でも唄われ、江戸時代には東北まで流通し、朝廷や彦根藩にも献上されました。なお、売茶翁が飲んだ越溪茶は、今日の緑茶とは異なり、黒茶という茶...
木津宗詮5月9日読了時間: 2分ほととぎす杉木普斎の作になる竹茶杓「ほとゝきす(保登ゝ幾須)」です。箱には「有麦隠士(花押)」と認められています。 ホトトギス・時鳥は夏の鳥で、古来、旧暦4月立夏にやってくる鳥とされていました。そのけたたましい鳴声は、「キョッキョッ...
木津宗詮4月28日読了時間: 1分方広寺大仏殿跡(大仏殿跡緑地公園)売茶翁が茶売りをした「舎那殿前ノ松下ニ開二茶店ヲ一」とは、方広寺の大仏殿の前を指します。天正14年(1586)に豊臣秀吉が奈良東大寺にならって大仏の造立を始め、文禄4年(1595)に落慶した方広寺は、その後、伏見大地震により倒壊しました。のち豊臣秀頼が再興するも、寛政10年...
木津宗詮4月27日読了時間: 1分時雨桜愈好斎書付になる月輪寺の時雨桜茶杓です。 3年前に家内と見に行きました。月輪寺は愛宕山の東山腹にあり、月輪関白九条兼実が隠棲した地です。兼実は法然上人に深く帰依して円澄と号しました。法然上人と弟子の親鸞上人が流罪となる際、同寺で兼実との別離を惜しみ、それぞれの木像を刻んで形...
木津宗詮4月24日読了時間: 2分羽織島根県出雲市に十六島(うっぷるい)という岬があります。島根半島西部の海岸に突出した岬で、大岩石や奇岩が林立し日本海の荒波にもまれ、山陰でも屈指の海岸美を呈しています。十六島の語源は、海藻を採って打ち振るって日に乾す「打ち振り」がなまったとか、朝鮮語の古語で「多数の湾曲の多い...
木津宗詮4月23日読了時間: 1分聿斎好み 錫の瓢風鎮風鎮(ふうちん)とは、掛軸の軸先に付ける重りのことをいいます。「風を鎮める」ということから、掛軸が風に揺れないようにするものとか、飾りとしてもちいられます。茶の湯の床では掛物に風鎮を掛けることはありませんが、3代聿斎宗泉が大正12年(1923)癸亥に好んだ錫の瓢風鎮です。作...
木津宗詮4月21日読了時間: 1分4月21日 稽古場の床本日の稽古の掛物は、裏千家5代不休斎の「猿回し」画讃です。花は唐椿に小手毬を伊賀焼耳付花入に入れました。 いとなみに まはさるゝのも 廻るのも まはりもちにて 世はたつたかな 千与三郎(花押) 営みというものは回されるのも回るのも、所詮はお互いに回り持ちで世の中成り立ってい...
木津宗詮4月21日読了時間: 1分4月20日 稽古場の床本日の東京稽古場の床は、大徳寺の宙宝一行「今日残花昨日開(きょうのざんかきのうひらく)」です。 今日残花昨日開 前大徳松月老衲書(印) この世には残花なんて存在しません。全ての花は今日を盛りとして精一杯咲いています。「残花」とは人が勝手にそう呼んでいるだけです。宙宝和尚は残...