• 木津宗詮

売茶翁筆一行 更上一層楼(さらにろうのいっそうをのぼる)



  更上一層楼

    高遊外(印)


 流れるような見事な筆使い。まことに力強い躍動感のある墨跡です。出典は中国・唐の詩人王之渙(おうしかん)の「登鸛雀楼(かんじゃくろうにのぼる)」です。


  白日依山尽

  黄河入海流

  慾窮千里目

  更上一層楼


  白日は山に依って尽き

黄河は海に入って流れ

  千里の目を窮めんと欲し

  更に楼の一層を上る


 楼の上から西を望めばあかあかと輝く夕日が沈もうとしている。黄河がはるかかなたの海へ流れこんでいる。このすばらしい眺望に心がひかれ千里のかなたまでもっと見てみたい。もっと遠くまで眺めたい。さらにもう一階上に登ってみることにしよう。

 もう一層登ると、きっと夕日に染められてキラキラと輝いている黄河が見えたことでしょう。遠くまで見渡すなら、もっと上に登る必要があります。物事を広く識るためには、努力して自分が向上する必要があります。努力して自分が向上すれば、まちがいなく広い視野で周りを見渡せることができます。

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