京都西陣の晴明神社での家元献茶祭の添釜を無事に終えることができました。今回の献茶は不徹斎家元が晴明神社崇敬会の会長に就任した奉告の献茶でした。千年祭の折にも不徹斎家元により献茶が奉仕され、ちょうど20年ぶりのことでした。その時も添釜をしました。懐かしい思いひとしおでした。なお、宮司の山口氏は古い社中で、社中の会卜翠会の名誉相談役を勤めてくださり、私にとっても格別の掛釜でした。
晴明神社は御祭神安倍晴明公の屋敷跡に鎮座する神社です。晴明公が稲荷神の生まれ変わりであるとの伝承から、寄付にその画像を掛けました。そして本席の床に武者小路千家8代一啜斎が神と認めた一行を掛けました。この軸は初代松斎宗詮が直接一啜斎こら贈られたもので、外題を松斎が記しています。そして名残りの時期ということで先々代愈好斎の書付になる木耳の有馬籠に秋草を種々いれ、一啜斎の在判になる朝鮮蛤に菊の置上が施された香合を飾りました。点前座は3代聿斎宗泉が貞明皇后の御下命で建てた御茶室秋泉亭の楓材で作られた竹台子に唐銅の鬼面風炉釜、東哉作になる赤絵の蓋を添えた李朝の甕器を水指に見立てて中置の点前をしました。茶器は5代文叔在判の菊蒔絵大棗、茶碗は7代直斎手造の「柿」という銘のまことに小振りな赤茶碗、その他繕いのある青磁・唐津茶碗、季節の茶碗を用いました。そして直斎室宗真の85歳の時に作られた竹茶杓「鶴」などの道具組み。菓子は初代松斎が今から250年ほど前に好んだ「千代の数」をお出ししてお茶を差し上げました。
ご参会の皆様にもご満喫いただけたようで本当にありがたいことでした。天気予報では午後から雨とのことでしたが、幸い片付けを終わり辞去するまで降られることがなく、まさに御祭神の庇護の賜物と感謝です。ありがとうございました。
晴明神社献茶副席
会 記
時、十月十四日
於、社務所
寄 付
床 稲荷大明神像
香合 菊置 朝鮮蛤 一啜斎在判箱
帛紗 今上陛下立太子礼賢所撤下裂
炭斗 一翁好 竹 丸 其中斎在判箱 松斎甲書 一閑造
羽箒 鶴 一双之内 愈好斎箱
鐶 聿斎好 巴 共箱 金長造
釜敷 糸組 友湖造
火箸 真伯好 鉄 竹形梅鉢文 金長造
本 席
床 一啜斎筆 一行 神
花入 木耳付籠 愈好斎箱
花 季のもの
釜 丸 了保造
風炉 唐銅鬼面 了保造
板 竹台子 秋泉亭楓樹を以て 愈好斎・淡々斎箱 小兵衛造
先 愈好斎好 水透 有隣斎在判箱 小兵衛造
水指 李朝 甕器 東哉造赤絵蓋添える
茶器 菊蒔絵大棗 文叔在判 真伯箱
替 天龍寺青磁 手桶
茶碗 直斎手造 赤 銘柿 一啜斎箱
替 青磁 鎬 千鳥蒔絵
茶杓 直斎室宗真作 竹 銘鶴 八十五歳作 一啜斎筒共箱
蓋置 菊絵 神宮土器を以て造る 不徹斎箱 玉藻補
建水 唐銅 官休庵伝来形餌畚
菓子 松斎好 千代の栄 京都鶴屋製
器 萬古焼 鈴形食籠
莨盆 直斎好 桑 手付 市郎兵衛造
火入 染付 冠手写 得全造
煙管 一指斎好 吉祥草彫 浄益造
莨入 白檀塗 草花絵
香箸 花笑斎好 菊頭 宗三郎造
以上
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