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4月21日 稽古場の床

武者小路千家11代家元一指斎の「楽」です。花はあまどころ(甘野老)を雲鶴青磁花入に入れました。




嘉永7年(1854)、一指斎7歳の時に木津家2代得浅斎の後見により、高松藩主松平頼胤公に初御目見し、家督を相続します。その時にこの慶事を記念して書かれたものの一つがこの軸です。一指斎はじめ家族、社中に至るまで武者小路千家一統にとりこの上もないめでたい時でした。ところがその1月後におきた嘉永の大火により武者小路千家は炎上してしまいます。その後、明治維新、そして文明開化の風潮により茶道がかつてない衰退の時期を迎えました。一指斎はそれによく耐えて、明治14年(1881)に武者小路の地に家元を再興しています。


一指斎は歴代の中でも屈指の名筆家です。この「楽」という字を見ているととても微笑ましい気分になります。いかにも楽しそうに踊っているように見えます。いたいけない7歳の童子の純真な心が為せる技です。

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