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執筆者の写真木津宗詮

上げ底

 上げ底とは、物を入れるためのものの底を高くすること。また、そうしたもの。量が実体よりも多く入っているように見えるためのものをいいます。

 かつて下鴨神社献茶祭の副席担当した時に用いた江戸時代の同神社の土器(かわらけ)です。土器は神様のお供物である神饌を載せる器です。この土器の底は饅頭を載せたように盛り上がっています。上に載せる神饌をより高く豪華に盛るために上げ底をしているのです。神さん本意でなく見ている人本意です。なんとも複雑な器です。

 なお、土器は使ったあと土に還すのが本業ですが、この土器は幕末の陶工高橋道八が葵の絵を描いて透明釉を掛けて補っています。









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