春風
- 木津宗詮
- 2023年3月29日
- 読了時間: 1分
有隣斎一行「春水来る」です。

白楽天(白居易)の「府西池」が出典で、
柳無気力条先動
池有波文氷尽開
今日不知誰計会
春風春水一時来
柳に気力なくして条(えだ)先(ま)づ動(うご)き
池に波文(はもん)ありて氷尽(ことごと)く開く
今日知らず誰か計会(けいくわい)せん
春風春水一時(いちじ)に来らんとす
冬が終わろうとするころ処々にその兆しが見える。柳はぐったりとして、暖かい風に真っ先に枝が動く。池の氷はすっかり解けて、水面に波紋が描かれている。今日、いったい誰が計らっているのだろうか。今まさに春風と春水とが同時にやって来た。
厳しい冬の寒さを経たのち、一気に素晴らしい世界がやってきて春が訪れる様を描いています。
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