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唐も及ばぬ!

日本人で富士山を知らない人、実物でなくても写真や動画で見たことのない人は皆無だと思います。また、広く世界に知れ渡る日本の代表的な山であり、日本の象徴の一つでもあります。その悠然とした気高い美しい姿から神として崇めてきました。

大昔の都人は東国への長旅で初めて雪をいただく富士山を仰ぎ見た時に筆舌に尽くせない感動を得ました。そうした一人に山部赤人がいます。赤人は最大限の賛辞を用いた歌を残しています。

天地の分れし時ゆ 神さびて 高く貴き駿河なる 富士の高嶺を 天の原 振り放(さ)けみれば 渡る日の 影も隠らひ 照る月の 光も見えず 白雲も い行(ゆ)きはばかり 時じくぞ 雪は降りける 語り告げ言い継ぎ行かむ 富士の高嶺は 

     反歌

田子の浦ゆ うち出(い)でてみれば 真白にぞ 

富士の高嶺に 雪は降りける

天と地の分れた神代の昔から、神々しく気高く貴い駿河の富士の高嶺。大空はるかに振り仰いで見ると、空を渡る太陽の光も頂に隠れ、夜空に照る月の光もさえぎられる。 白雲も富士に行く手を阻まれて、いつも雪が降り積っている。なんという美しく神々しい姿であろうか。のちの世の人たちにも語り継ぎ、言いついでいこうこの富士の高嶺のことを。

反歌

田子の浦を通って開けたところまで出て見ると、真っ白に富士山の高値にに雪が降り積もっていることだよ。

 

富士山を讃える雄大な名歌です。赤人の長歌の「語り告げ言い継ぎ行かむ」とあるように、古来、富士山は多くの歌詠みにより今日も詠み継がれてています。

江戸時代前期の公卿鷹司教平の短冊『冨士』です。

冨士

唐もをよハぬ不尽のそらに見る

雪や山迹のハしめなるらん 教平


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