木津宗詮8月2日2 分秋ちかく梨木祐為(なしのきすけため)の難波潟の自画賛です。 祐為賛(印) あきちかく 成にけらしも 難波かた 入江のほたる かすそすく なき 梨木祐為は 元文5年(1740)下賀茂神社祠官の子として生まれ、鴨祐為とも称しました。正四位下上総介。幼少の頃より和歌を好み、冷泉為村の門に...
木津宗詮7月30日2 分土用の丑今日は土用の丑の日です。土用は五行に由来する暦の雑節です。1年のうち不連続な4つの期間で、四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間ずつのことです。特に土用というと一般的に夏の土用のことをいうようです。 夏の土用の時期は暑さが厳しく夏ばてをしやすい時期です。そこで昔から...
木津宗詮7月30日3 分犬の伊勢参り日本の犬はとてもおとなしくて、吠えもせず道の真ん中に寝そべっている。われわれが近づいても、相変わらずそのままでいるので、犬を踏み殺さないよういつもよけて通らなければならない。(『シュリーマン旅行記清国・日本』) ハインリッヒ・シュリーマンはドイツの考古学者で実業家で、ギリシ...
木津宗詮7月23日4 分鵺(ぬえ)の鳴く夜は恐ろしい!40代以上の方には懐かしい横溝正史の原作になる映画「悪霊島」のキャッチコピーです。ビートルズの「レット・イット・ビー」がバックに流れ「鵺の鳴く夜は恐ろしい…」というキャッチコピーがとても鮮烈でした。 鵺とは『平家物語』では顔は猿、胴は狸、手足は虎、尾は蛇。『源平盛衰記』では...
木津宗詮7月19日1 分シオカラトンボシオカラトンボ懐かしいです! 子どもの頃タモと虫かご持って走り回ってたことを思い出したした。 写真撮ろうとしたら電話に飛んできて止まりました。だから動くこともできずしばらくじっとしてました。 ようやく駒札に止まったところを写しました。 こんなにじっくり見たのは何十年ぶりだろう。
木津宗詮6月13日2 分ホトトギス大綱和尚の懐紙「郭公(ほととぎす)を待つ」です。 待郭公 前大徳寺大綱 きかはやと 誰もまつらん 郭公 夏立つ日より 鳴物にして ホトトギスは、知ってる限りでは、杜宇、杜鵑、時鳥、子規、不如帰、蜀魂、田鵑などたくさんの異名があります。ウグイスの巣に自分の卵を産んで育てさせる...
木津宗詮6月6日1 分ゴイサギ天皇が日常お使いになる御常御殿(おつねごてん)である清涼(せいりょう)殿に昇殿を許され、天皇に近侍する人は、「五位」以上の官位を受けた人です。 ゴイサギは、『平家物語』によると、醍醐天皇が御所の庭で鷺を従者に捕まえるように命じました。すると鷺が逃げようとしたので、「宣旨(天...
木津宗詮5月30日1 分梅雨入り梅雨入りしました。5月の梅雨入りは10年ぶりで、平年より8日早いとのことです。台風の影響もあってか本格的な梅雨らしい雨が降ってます。 梅雨というと子供の頃の思い出は雨に打たれるアジサイ。そしてカタツムリでした。今の子どもたちはどんなイメージなんでしよう?
木津宗詮5月29日3 分山鯨明治までわが国は一部は除いて獣肉を食べることはタブーとしてきました。そこで肉が鯨に似ているということで猪の肉を「山鯨」と呼んで山間部では食べられていました。かつて吉野でいただいた料理に、正真正銘の鯨が出されました。シロナガスクジラの炙りです。とても柔らかくらてあっさりした美...
木津宗詮5月29日1 分卯の花卯の花の匂う垣根に 時鳥早も来鳴きて 忍音(しのびね)もらす夏は来ぬ 佐佐木信綱作詞の童謡「夏は来ぬ」です。卯の花が垣根に美しく咲き、時鳥が忍び音をもらしています。いずれも初夏を象徴する風物詩です。 昨夜半、時鳥の初音を聴くことができました。そして、先日、大原に赴いた時に卯...
木津宗詮5月18日1 分5月18日 稽古場の床本日の稽古の床は大徳寺大綱和尚の「待郭公(ほととぎすをまつ)」です。紫蘭、紫露草、雪の下、躑躅、段菊を魚籠に入れました。 待郭公 前大徳大綱 きかはやと 誰もまつらん 郭公 夏立日より 鳴物にして ホトトギスは初夏にインドや中国南部で越冬して初夏になると日本に渡ってくる鳥で...
木津宗詮5月5日1 分岩田喜八本日は端午の節句です。床に冷泉為泰の鯉詠草を掛け、花菖蒲を染付高砂写花入に入れました。 (花押) 岩かねを 落くる 田 喜八 百年もたへす のほれる 鯉や嬉し き 為泰のこの歌は「鯉の滝登り」の故事をふまえたものです。みごとな岩盤から落ちてくる滝を百年絶えず登る鯉はうれしい...
木津宗詮4月18日1 分4月17日稽古場の床本日の稽古場の床は、初代宗詮の一行「春色無上下(しゆんしよくこうごなし)」です。床柱に萩焼蹲踞花入に小手毬と花水木・紫蘭を入れました。 春の暖かい日差しは山河草木、野にも町にも、貧者にも富者にも平等に降りそそぎます。ほんの少しも高下、厚薄はありません。まさに平等です。
木津宗詮4月15日1 分花を求めて香川景樹の懐紙「萎花蝶飛去」を掛け、唐銅の熨斗形花入にシャガを入れました。 春日詠萎花蝶飛去 和歌 長門介平景樹 この里ははなちり たりととふ蝶の急 くかたにも風やふ 君羅武(くらむ) ソメイヨシノや山桜、桃などは散ってしまいました。今は八重桜や菜の花、躑躅が満開です。次な...
木津宗詮4月14日1 分カラス桜の花のついた枝にしばしばカラスがとまっているのを目にします。カラスは美しい花を眺めているのか?それとも花を食べているのか? カラスには前者のような風流を解する心は到底もっているとは思われません。間違いなく後者でしょう。メジロのように花の蜜を小さな嘴で吸うことのできないカラ...
木津宗詮3月8日1 分聿斎宗泉丁卯歳試筆3代聿斎宗泉の丁卯歳の試筆です。この年は昭和2年(1927)にあたり、兎の絵を自ら描き、 治れる御代は風さへ静なり 海ばら遠く波たゝずして 春の海兎のどかに遊らし と色紙に泰平の御代を寿ぐ和歌と発句をそれぞれ認めています。 またもう一幅は、 開動明眎妙...