木津宗詮2023年10月14日2 分鴫立つ澤武者小路千家13代有隣斎宗匠の筆になる短冊です。 こゝろなきみにもあはれハしられけり しきたつさわのあきのゆふくれ 宗屋書 『新古今和歌集』所収の「秋の夕暮れ」を詠んだ「三夕の歌」として知られる西行の和歌です。 浮世を捨てて執着の念から遠いはずの出家の身である西行。いくら修...
木津宗詮2023年10月10日1 分帽子棗帽子棗は、利休好とされる溜塗で、撫肩で裾が張った被せ蓋の薄茶器です。棗と呼ばれていますが、棗とはまったく異なる形です。帽子棗という名前は被せ蓋が、いかにも帽子のようなことからの名称とのことです。 この帽子棗は武者小路千家七代直斎の書付で「望月」と銘がつけられています。どのよ...
木津宗詮2023年9月19日1 分武者小路千家利休の孫の宗旦には4人の息子がいました。長男は閑翁宗拙、次男が一翁宗守、三男が江岑宗左、四男が仙叟宗室です。宗拙と宗守は宗旦と日安の子で、宗左と宗室は後妻の宗見の子です。 一翁は若い頃に塗師の吉岡家に養子となり吉岡甚右衛門と名乗り、のち宗旦の意向で千氏に服して茶匠となります...