元来、京都で生産またはとれる食材は、野菜と乾物・川魚だけでした。
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京野菜
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乾物
保存や運搬が未発達の時代には、海の魚の生ものなど古いに決まっていたからです。先斗町の知人は、今から30年以上前は魚といえば川魚で、先斗町にコイやフナ・ドジョウ・アユなどの川魚を魚屋さんが売りにきていたそうです。
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コイ
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フナ
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ドジョウ
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アユ
和歌の師匠だった故冷泉布美子先生は絶対に刺身やにぎり寿司は食べなかったそうです。京都で生まれた式包丁では、今もタイではなくコイが魚の最高位として扱われています。
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式包丁
これから旬となるハモは、小骨が多くそのまま食べる事ができないので、瀬戸内のある地域では「猫またぎ」と呼ばれていたとのこと。またニシンやタラも同様に下魚とされていたそうです。ちなみにニシンは魚に非ずということで「鯡」という文字があてられました。またサバは腐敗が早いため「生ま腐り」とか「生き腐り」といわれていました。
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ハモ
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ニシン
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タラ
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サバ
京都は海に面しない内陸部で、大阪の雑魚場に上がった魚を約40キロあまりを半日かけて運びました。腐敗の激しい夏場などは、当然鮮度は落ち、一つ間違うと食中毒のもととなりました。ところがハモはまことに生命力の強い魚で、生きたまま京都まで運ぶ事ができるできました。そこで「骨切り」の技術が発達し小骨を切りをして調理して食べられるようになりました。サバは「ひと塩」して若狭からの「鯖街道」72キロを一昼夜荷車で運び鯖寿司にするなどの調理が行われました。なお、皮肉な事です。本来、「猫またぎ」とか「生ま腐り」とか「生き腐り」といわれていた食材が、今日、高級な料理になっています。にしん蕎麦は腹部を切り落として干物にした「身欠にしん」をもどして味付けして蕎麦の具にしたものです。正月のお節料理に欠かせない棒鱈(ぼうだら)は、日持ちしないマダラを干物にしたものを何日も水につけて柔らかくして煮つけたものです。
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ハモ骨切り
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鯖街道
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鯖寿司
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きずし
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ハモ湯引き
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身欠きにしん
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にしん蕎麦
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棒だら
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棒だら煮付け
現在、和食、特に京料理が日本料理のようにいわれています。日本国内いうに及ばず海外でも高い評価を受けています。ところが実際はろくな食材がないからこそ、工夫を積み重ねて作り上げた食文化ではないかと思います。京料理は鰹や昆布、椎茸などで出汁をとり、醤油や酒・味醂などの調味料で美味しく味付けし、きれいな器にみごとに盛りつけられたものです。
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鰹節
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昆布
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椎茸
長い年月をかけて多くの先人たちが工夫に工夫を重ねて作り上げたのが京料理です。極端なかもしれませんが、日本中、どこにいっても懐石料理、京料理の類が最高のものとされているように思います。京料理は限られた食材で工夫して作られたものです。
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懐石料理
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茶懐石
新鮮な食材、豊かな食材のあるところは当然その素材を十分に活かした美味しい料理が作られています。いわゆる郷土料理です。例えば三重県志摩地方に伝わる「てこね寿司」という郷土料理があります。 赤身のカツオやマグロをいった魚をタレに漬け込み、酢飯に合わせて、薬味を乗せていただくちらし寿司のような寿司 です。 カツオ漁の漁師が、釣ったばかりの鰹をブツ切りにし、醤油をかけたものを、持参した酢飯に手で「こねる」ようにして混ぜて食べたことからの名前です。 本来、忙しいカツオ漁師が、手間をかけずに船の上で食べる賄(まかない)、いわば「漁師飯」でした。 そんなてこね寿司は、今でも志摩地方で多くの家庭で食べられています。また、伊勢神宮の社頭などの飲食店のメニューにもなっています。また土佐の漁師がとれたての鰹をさばいて炊きたてのご飯にのせてお茶漬けにするなどといった類です。コンプレックスなのかしれませんが、何でも京都のものが勝れているという考えはいかがなものかと思います。なにもこの考えは料理に限ったことではありません。「灯台下暗し」ではありませんが、身近に何にも負けない素晴らしいものがあるに違いありません。一度身近で当たり前になっているものを改めて見るということが大切だと思います。
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マグロ
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カツオ
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てこね寿司
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鰹茶漬け
今日、流通も十分に行き届き、また冷凍や保存の技術が発達し、日本中はいうに及ばず、世界中の食材が手に入る時代です。今後、むかしの人には想像すらできなかった発展・展開していくのでしょう。まことに興味深いことです。
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