如意は「意の如く」、「思いのまま」という意味です。
『西遊記』の主人公孫悟空が使う如意棒(如意金箍棒・にょいきんこぼう)は、重さは1万3千5百斤(約8トン)という銘が彫られています。悟空の意に従い自在に伸縮し、普段はマッチ棒ほどの大きさに縮めて耳の中に納めて携帯しています。必要な時には取り出し、長さ1丈2尺(5メートル30センチ)、太さは汁椀ほどにして使用しています。最大の大きさは上が三十三天(忉利天・とうりてん)、下は十八層地獄までになります。まさに悟空の意のままです。もとは黄河の治水に功を残した伝説上の天子である禹(う)が川の深さを測定した際のおもりとされています。その後、東海竜王敖広(とうかいりゅうおうごうこう)の竜宮の地下の蔵に「海の重り」として置いてあったものですが、孫悟空が竜王から奪い、武器として使ったものです。
僧が読経や説法の際などに先端をわらび形に巻き曲げた孫の手のような形状をした「如意」という法具があります。もともとは背中をかくのに用いられていた「孫の手」でした。それがのちに権威や威儀を正すために用いられるようになり今日に至っています。そして如意も茶の湯では夜咄の茶事で払子とともに花の代わりに床に掛けて用いられています。
写真は唐物如意です。
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