道明寺糒(どうみょうじほしい)


 道明寺糒とは、もちごめを二日間水につけて吸水したのち、水を切り蒸しあげて屋内で十日程乾燥し、のち20日程天日に干してから石臼にかけて荒く砕いて篩で粒を揃えて製造した干し飯・糒(ほしいい・ほしい)としたものです。何年たっても品質が変わらず、変色もしない保存食です。昔は、軍糧や旅の携帯食でしたが、今では「道明寺粉」として、和菓子材料にもっぱら用いられています。なお、関東の桜餅は、小麦粉の生地で餡をまきますが、京都をはじめとする関西の桜餅は、この道明寺粉を使っています。



 名前のいわれは菅原道真公の伯母覚寿尼が河内の道明寺(大阪市藤井寺市)に住んでいて、道真公が築紫に左遷されたのち、毎日、覚寿尼が九州に向ってお供えしたご飯のおさがりを分け与え、これをいただくと病気が治るということが評判となりました。そしてこれを求める多くの希望者のためにあらかじめ乾燥、貯蔵するようになったのが道明寺糒のはじまりとのことです。


 江戸時代には禁裏や将軍家に献納したのち、諸侯の求めに応じて少量づつわかつていました。明治以後は一般民間にも販売するようになり、今日に至っています。



和紙の袋の上の「ほしいひ」の文字は豊臣秀吉の文字になるものです。