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執筆者の写真木津宗詮

関羽



杉木普斎作になる竹茶杓「関羽」です。これも先日の茶事で使いました。

関羽は三国志の劉備・張飛と義兄弟の義を結んだ三兄弟の一人です。武勇に優れ、劉備の忠臣として活躍し、後世,神格化され関帝と呼ばれ、軍神・財神として関帝廟に祀られ、あつい民衆の信仰をうけています。なお、関羽が財神として商人により大切に祀られるのは、劉備が曹操に敗れて関羽が捕らえられた時、曹操は関羽を厚く礼遇をし、その帰順を勧められます。ところが関羽はそれを断りました。その後、曹操の宿敵袁紹との戦いで、袁紹の部将である顔良の首を斬って置土産たとし、曹操から受けた恩義を返し,そのまま再び劉備のもとに帰って献身しました。こうしたことから信義のあつい関羽を契約の神とし、それがのちに財神となったのです。 さて、この茶杓、まことに不恰好なものです。節から上は荒曲げの状態をそのままと行って良いほど手を加えていません。櫂先は単に斜めに切り落とし全く丸く削らずにそのままの状態です。途中で削るのをやめてしまったような姿です。どうしてここで削るのをやめてしまったのか?でも節下両側から切止めまではきっちりと細く削り、節のところが中心になるように上下のバランスを見事にとっています。ですから茶入には節の真下が蓋の上にのせることができます。裏面は刀の跡を豪快に残して凸凹です。 間違いなくこれは茶杓として完成品です。普斎は何を思ってこの姿に満足して完成としたのか?私にはさっぱりわかりません!正直美的な印象はないです!でもこの荒々しい茶杓に普斎は確かに勇猛の士関羽を見たのです!

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