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十三夜

江戸前期の大徳寺169世、天祐紹杲(てんゆうじょうこう)の一行「牀前看月光」です。

牀前看月光

   天佑叟(印)

牀前看月光(しょうぜんげっこうをみる)

出典は李白の「静夜思(せいやにおもう)」です。

 静夜思 李白

床前看月光 疑是地上霜

挙頭望山月 低頭思故郷

床前(しょうぜん)月光を看る

疑うらくは是れ地上の霜かと

頭を挙(あ)げて山月を望み

頭を低(た)れて故郷を思う

寝台の前に月影が差している。まるで地表を霜が覆っているかと見まがうほどだ。頭を上げて山ぎわにかかる月を見ていると、だんだん頭が垂れてきて 気が付くと故郷のことをしみじみ思っていた。

秋は空気が澄み、一年でもっとも月がきれいに見える季節です。秋の月の高さ(高度)は夏と冬とを比較するとちょうど中間に位置し、満月が四季の中でもっとも見やすくなります。夏は月の位置が低く、冬は高すぎるため、春と秋がちょうどいい高さです。ただし、秋に比べ春は湿度が高く月が霞んでぼんやりと見え、秋ははっきりと輝いて見えることから春よりも秋のほうが月見に適しているのです。なお、冬の月は寒々とした空に、冴えて美しく輝くのですが、残念ながら寒くて長時間の月見には不向きです。夏は暑すぎて月見には不向きです。

今夜の十三夜、後の月です。旧暦9月13日の十三夜の月を愛でる風習は日本で生まれたものです。これは、延喜十九年(919)に寛平法皇が月見の宴を開き、十三夜の月を称賛したことが由来とされています。

仲秋の名月は 里芋を供えることから「芋名月」と呼ばれます。それに対し後の月ではこの頃に収穫される栗や枝豆を供えることから、「栗名月」や「豆名月」とも呼ばれています。

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