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鬼の念仏

大津絵「鬼の念仏」です。

大津絵は名もない市井の絵師が画いた絵です。

この「鬼の念仏」は、慈悲ある姿とは裏腹な偽善者を、衣をまとった鬼を通して諷刺したものだそうです。

鬼は人の心の内にあるということで、描かれた鬼の角は、仏教で克服すべきものとされる最も根本的な三つの煩悩、すなわち貪・瞋・癡(とん・じん・ち、貧欲・瞋恚・愚痴)の三毒を表わしているそうです。

「貪」はむさぼりの心です。欲深く物をほしがる、際限なくほしがる。お金がほしい、地位がほしい、ひとに好かれたい、成功したいという思いです。いくら背伸びしてもその器になければ手に入れることはできません。すると怒りがわいてくる。 これが「瞋」すなわち怒りです。自己中心的な心で、怒ること、腹を立てることです。 怒ると正常な判断ができなくなり愚かなことをしてしまう。 物事の道理にわからず実体のないものを真実のように思いこむことこれが「癡」、すなわち迷妄です。

まさに連鎖反応です。これを阻止するためには、常にむさぼらず、決して驕らず質素に暮らし、感情に流されず言動を慎めばよいということになります。理屈では簡単なことですが、実際、わたしにはこんな難しいことできません!とどのつまり愚かな人間としてこれからも苦界をさまよい続けるだけです!

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