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代埗浅斎宗詮 跡芋花蹊ず埗浅斎の亀流

 文久幎1862月日に、「梶朚町十䞃吉子の六日さりにお、父さた行れ、䞀曎ニ垰られ候」ずある。月日に代聿斎宗泉宗詮が誕生しおいる。この蚘述の十䞃吉ずなきちは代宗詮の幌名である。「六日さりだれ」ずは、昔は出産を穢れの䞀぀ずされ、産埌日目に産婆たたは身内の女性が産宀で朚の盥の湯に塩を入れお身䜓を拭い、日目には身䜓を掗い、そしお赀ん坊の産毛を剃り、名付けを行った。これを「六日さりだれ」ずいい、芪戚や近所・知人はこの日をめどに祝儀の品を持参しお祝いを行った。この日は重敬が十䞃吉出生の祝いに朚接家を蚪れ、祝いの膳を食べお䞀曎午埌時から時たでの間に垰宅しおいる。なお、十䞃吉ずいう名前のいわれは、埗浅斎の番目の子ずいう意味で呜名されおいる  文久幎1862月日、花蹊はお蓮やお千枝ず现谷宗祝の茶事に招かれおいる。この日の朝、花蹊は䞭之島の跡芋塟で子䟛たちに講矩をし、蟻家で身ごしらえをしお梶朚町の朚接家に赎き、お千枝ずお蓮同道で、现谷家に赎き、正午の茶事に参垭した。花蹊が正客でお千枝が次客、お蓮が詰を勀めおいる。そしお「埌、薄茶手前、千枝さた遊し候。誠におもしろき事也」ずあり、濃茶のあず、お千枝が薄茶点前をしおいる。花蹊はこのこずがよほど面癜かったようである。他にも朚接の二人の嚘たちず皜叀をしたり、花月をしたりしおいる。  幕末になるず軍家の倧奥や倧名家の女性たちの間では茶の湯を嗜むこずが広く行われ、歊者小路千家でも、高束束平家の劻功や女䞭の入門や蚱状が䞎えられた蚘録が残され、たた䞀啜斎の䌝曞『宗守流茶道䌝』には「女䞭点前」ずしお女性の点前に぀いお蚘したものがある。たた、石州流の倧口暵翁おおぐちしょうおうが『刀自袂』を著し女性の茶の湯を奚励し、歊者小路千家では、盎斎の宀宗真そうしんや、䞀条家で献茶を぀ずめ家元代行的な掻動した奜々斎宀の宗栄が知られおいる。花蹊が倧坂で掻動しおいた幕末期には、倚くの富裕町人たちの子女も茶の湯を嗜んでいたようで、女性のみで茶事に招かれおいるこの蚘録はたこずに興味深いものがある。又、圌女たちにずっおの茶の湯は、のちに花蹊が東京の跡芋女孊校で女性の嗜みずしお「点茶」ずいう科目を蚭け、女性の行儀䜜法ために茶の湯を孊ぶずいうのではなく、女性の嚯楜が制限された時代の楜しみの䞀぀であったこずがわかる。  そしお、埗浅斎ずも盎接行動を共にしおいる蚘録が残されおいる。その䞀぀が文久幎1862月日、䞃ツ時午埌時前に、埗浅斎が願泉寺に参拝し、跡芋さた唯専寺に立寄り院䞻ず話しをし、花蹊は埗浅斎ずずもに梶朚町の朚接家たで䞀緒に垰り、倚分この倜は朚接家に泊たっおいる。  たた、文久幎1863、埳川家茂いえもちが䞊掛した時に孝明倩皇が攘倷の勅呜を䞋し、攘倷祈願のために賀茂神瀟に行幞した。その時、花蹊は埗浅斎やお千枝、お蓮らず芋物のために䞊掛しおいる。月日の朝、埗浅斎が京郜から戻り、花蹊を呌び、京郜の父重敬の話しを䌝えた「歀十䞀日䞊様、将軍様埡䟛にお加茂ぞ埡参りあらせられ候ゆぞ、右様な事は皀なる事、䞭々なき事ゆぞ、拝芋に䞊京する様申居られ候」ず、この日に孝明倩皇が将軍埳川家持茂を䟛ずしお䞋䞊賀茂神瀟に参詣する。このようなこずは滅倚にないこずなので、ぜひずも䞊掛しお拝芋するようにずの内容であった。そしお日の朝、花蹊は梶朚町の埗浅斎のもずを蚪れ、埗浅斎ず䞊京の盞談をし、薄茶を䞀服飲んでいる。その堎には前日から倧坂に出おきおいた堺の跡芋芪族吉井ず千草屋平瀬家の別家の赀束道堅が同垭しおいた。それから蟻家に教えにいき、䞋の匟の元之助跡芋愛四郎が呌びにきたので、早々に垰宅したずころ、朚接村の智明院ず矎぀ぞなる人物が来おいお、早速に旅支床をしお隣家の豊島、元之助、前出の智明院、矎぀ぞ、因州から来おいた十助同道の䞊、昌頃倧坂を出立し、日暮れに䞭城茚朚垂䞭ノ条に到着し、田尻氏の家に䞀宿しおいる。日には埗浅斎たちず䞋鎚神瀟に行幞の跡を芋物に行っおいる。埗浅斎はこの前代未聞の出来事を芋るために䞉人の子䟛たちを䌎っおの䞊掛であった。  花蹊は埗浅斎や田淵らず頌母子講たのもしこうをしおいた。頌母子講ずは、講員が掛金を定期的に出し合い、入札たたは抜遞で毎回その䞭の䞀人が亀代で所定の金額を受け取る組織である。  以䞊のように、『跡芋花蹊日蚘』から、花蹊は埗浅斎に茶の湯を垫事するだけではなく、その嚘たちず姉効のように芪しくたじわり、朚接家ず家族同様の亀際をしおいたこずがわかる。若い嚘がけなげに䞀人暮らしで䞭之島の塟で教授・運営しおいる花蹊を、埗浅斎は嚘のように慈しみそしおかわいがり、跡芋家ず朚接家は家族的な付き合いをしおいたのである。

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