木津宗詮8月9日1 分およく餅8月9日に二月堂にお参りすると、46,000回参詣したのと同じ功徳が得られるとされていて、「およく(功徳日)」と呼ばれています。この日だけ二月堂ではんばいされているのが「およく餅」です。こし餡で餅を包んだだけのシンプルなお菓子です。猛暑の時分にはかえって美味しくいただけます。
木津宗詮7月25日2 分天神祭青蓮院門跡尊円入道親王筆になる「南無天満自在天神」です。 「南無」は仏や菩薩などを信じ敬い、それに帰依することを表す語です。「天満自在天神」とは菅公(菅原道真公)の御神号です。 『北野天神縁起絵巻』によると、菅公が晩年に配所太宰府の天拝山で無実を訴える祭文を読上げると、帝釈...
木津宗詮7月5日2 分空ごと山本行範(やまもといくのり・こうはん)と素琴女史画七夕図 の画賛です。 素琴女史についてはどの様な人物か不明です。 ほしあひのそらことなからを とめ子の みやひこゝろのみゑてなつかし 行範 素琴女史(印) 一年に一度だけでの星逢いは本当ではない作り話だけれども、それを真...
木津宗詮6月30日2 分夏越祓望月玉渓(もちづき ぎょくけい)の夏越祓図です。 望月玉渓は明治7年(1874)に玉泉の子として京都に生まれました。父に画技を父に学び、望月派の5代目となり、昭和13年(1938)に亡くなっています。画風は望月派の伝統的で緻密なものです。...
木津宗詮6月9日2 分6月9日稽古場の床本日の東京稽古は、松平不昧公の詠草を床に掛けました。花は花菖蒲を宗全好み蝉籠です。 思事宇多幣婆那藝奴言霊之 幸波布験麻佐斯加利計理 蘭室主人 思事うたへばなぎぬ言霊(ことだま)の 幸(さき)はふ験(しるし)まさしかりけり...
木津宗詮5月9日1 分越溪茶(政所茶)売茶翁が絶賛した「越溪茶」は、鈴鹿山脈に源を発する愛知川の支流、御池川の谷間、政所の地で作られた茶です。「宇治は茶所、茶は政所」と茶摘み歌でも唄われ、江戸時代には東北まで流通し、朝廷や彦根藩にも献上されました。なお、売茶翁が飲んだ越溪茶は、今日の緑茶とは異なり、黒茶という茶...
木津宗詮5月9日2 分ほととぎす杉木普斎の作になる竹茶杓「ほとゝきす(保登ゝ幾須)」です。箱には「有麦隠士(花押)」と認められています。 ホトトギス・時鳥は夏の鳥で、古来、旧暦4月立夏にやってくる鳥とされていました。そのけたたましい鳴声は、「キョッキョッ...
木津宗詮4月25日2 分亀は万年幕末の公卿で公武合体派として活動した近衛忠煕86歳の時の懐紙「池亀」です。 池水に玉藻かつぎてゐる亀は さながら尾をも曳くかとぞ見る この歌は背中に蓑をつけたたように見える「蓑亀」を詠んでいます。甲羅に藻がたくさん生えたり藻が尻尾のようになった亀は特に珍重され、長寿を象徴す...
木津宗詮4月24日2 分羽織島根県出雲市に十六島(うっぷるい)という岬があります。島根半島西部の海岸に突出した岬で、大岩石や奇岩が林立し日本海の荒波にもまれ、山陰でも屈指の海岸美を呈しています。十六島の語源は、海藻を採って打ち振るって日に乾す「打ち振り」がなまったとか、朝鮮語の古語で「多数の湾曲の多い...
木津宗詮4月18日1 分4月18日 稽古場の床2自宅稽古場の掛物は賀茂季鷹自画賛になる朧月図です。細川護光作伊賀焼筒花入に赤玉椿と小手毬を入れました。 佐保姫の霞の袖につ丶みても にほひこほる丶春夜月 春を司る女神の佐保姫(さほひめ)がいくら衣の袖に包んでも、包みきれないのが春の月の美しさと気品です。...
木津宗詮4月10日1 分4月9日 稽古場の床春日大社職員の稽古の床に江戸中期の絵師三熊花顛(みくまかてん)の桜花図を掛けました。 三熊花顛は加賀国(石川県)の出身で、名は思孝、字は海棠、別に介堂と号しました。絵を長崎の大友月湖に学びました。のちに麒麟や鳳凰、龍、虎、獅子、象など見たこともないものを描くのは、ただ一時の...
木津宗詮4月9日1 分お釈迦になる失敗して物をダメにする事を「おしゃかになる」といいます。以前からなぜそういう風に表現するのか気になっていました。その語源を調べてみると花祭り・灌仏会に因むとありました。江戸の鍛冶職人の隠語として、あぶり過ぎて鈍って使い物にならなくなった金物を、江戸っ子訛りで「しがつよかった...
木津宗詮4月2日1 分花より団子今日はとても暖かな陽気です。残念ながらまだまだ桜はわずかしか開いていません。それでも早桜樹の下で飲み食いするおじさんの団体、外人の団体、そして夜桜のための場所取りをしている若者。 結局、春の陽気が増してくると、桜が咲いていなくてもみんな野外で飲み食いして楽しむのですね。桜は...
木津宗詮4月1日1 分団子皿本日から始まる「都をどり」は、明治5年の創始になる祇園甲部の芸妓・舞妓による舞踊公演です。「ヨーイヤサー」の掛け声とともに総をどりで幕が開け、爛漫の春、夏、錦秋の秋、深雪の冬、そして再びの春の花見で幕を閉じる、京の春を彩る華やかな風物詩です。...
木津宗詮3月28日1 分餅型李朝の餅型です。陶器の蓋置様のものはしばしば見かけますが、こんな手の込んだ木彫は珍しいと思います。庶民の具というよりは、相当上位か豊かな階層の家の道具であったと思われます。 材質はわかりませんがとても硬い木で、美術品でわなく、あくまでも実用品として作られた、まことに素朴な品です。
木津宗詮3月17日1 分3月13日 稽古場の床3代聿斎宗泉の竹画讃を掛け、安南染付花入にクリスマスローズを入れました。 そのかけかおらか世界や雀の子 露真 (印) 取り合わせの良いもの、調和して絵になるものとして松に鶴、梅に鴬などがあります。竹に雀もそのひとつです。...
木津宗詮3月7日1 分シャネルシャネルのルージュががなぜ高価なものかわかりました! それは日本のハゼで作った木蝋をアメリカ経由で輸入してそれを原材料の一つに加えているからです。 木蝋はキロ7000円の高価な蝋です!!
木津宗詮3月5日1 分バック式正座椅子バック式正座椅子。膝が痛くなったおばちゃんがよく茶席や水屋で使っています。バック式なのでその中に必要なものを格納できます。今日水屋を手伝ってくれたおばちゃんのバック式正座椅子の中には財布はじめ懐紙、ペンなどが入っていました。何より驚いたのはパン!食糧までも格納するとは!さす...
木津宗詮2月10日3 分一日(ついたち)一日は、月の始まりで「月立ち(つきたち)」が転じて「ついたち」となりました。また「朔(さく)」とも書き「ついたち」とも読みます。 「正朔を奉ず(せいさくを ほうず)」ということばがあります。意味は中国の天子の統治に服することをいいます。中国では皇帝(天子)は天帝から命を受け...