木津宗詮11月23日2 分新米子どもの頃に母親が食事の時に「今日は新米やで」と特に言われた時、なにかとても嬉しく、美味しいご飯を食べたことを思い出します。「古米」という言葉を久しく耳にしなくなりました。美味しいコメのなる稲の品種改良が進み、またその保存の技術が向上し、また美味しいご飯を炊くことのできる炊...
木津宗詮11月16日1 分最高敬語あそばされるは「する」、有らせられる「居る」、おかせられる「於く」、賜う「する、与える」です。 これらは最上級の尊敬表現で、天皇や皇族に対してのみ用いられる最高敬語です。戦前は一般的に用いられていた敬語表現で、戦後は一部を除き廃れてしまいました。...
木津宗詮11月11日1 分亥の子餅毎年、わが家は炉開きに亥の子餅をいただきます。善哉でお祝いされる家もありますが、善哉は一年の稽古が無事に終えることができたというのと、冬至の時分なので一陽来復を祝って、稽古仕舞いに使うことになっています。 亥は五行で水の徳をを司ります。そこで火の災いを避けるために、古来亥の...
木津宗詮11月8日2 分立冬今日は立冬です。旧暦(太陽太陰暦)9月19日。今年は旧暦(太陽太陰暦)では閏年にあたり5月の次に閏5月がありました。だから通常は1年が12ヶ月ですが、今年は13ヶ月あります。 旧暦は太陽と月の運行を実際に観測し、暦の1ヵ月は新月(朔日)からスタートし次の新月(朔日)の前日ま...
木津宗詮10月31日1 分江口君堂江口は大阪市東淀川区にある地名で、淀川の河口部分にあたり、神崎の津とともに海上交通の要衝として古くからにぎわった所です。江口の遊女は室津の花漆と同じく、「遊女長者」と呼ばれるほどの地位にいました。 四天王寺に参詣する西行法師が、江口を通った時ににわか雨にあい仮の宿りを遊女に...
木津宗詮10月30日3 分10月23日 稽古場の床1本日は旧暦9月9日重陽です。重陽は菊の節句として菊の着せ綿や、菊酒などで一般的です。 重陽では登高(とうこう)という厄払いも行われました。登高とは重陽の日に山に登って災厄をはらう行事をいいます。そのはじめは中国清代に書かれた北京の年中行事を記した『燕京歳時記』に、...
木津宗詮10月27日2 分十三夜江戸前期の大徳寺169世、天祐紹杲(てんゆうじょうこう)の一行「牀前看月光」です。 牀前看月光 天佑叟(印) 牀前看月光(しょうぜんげっこうをみる) 出典は李白の「静夜思(せいやにおもう)」です。 静夜思 李白 床前看月光 疑是地上霜 挙頭望山月 低頭思故郷...
木津宗詮10月26日1 分摺鉢東南アジアの焼物が大好きで以前から持っていたものです。不思議な形状で、とても重たい焼物です。なぜこんなに底が厚いのかがとても疑問でした。また何使うものかわかりませんでした。 先日ある道具屋さんが送ってきたカタログに伝世品の宋胡録の摺鉢水指というのが出ていました。...
木津宗詮10月16日1 分柴栗縄文時代から食べられていた柴栗(山栗)です。これも鞍馬のおばさんからもらいました。 柴栗は品種改良されず山の雑木の中に自生しています。現在栽培されている様々な品種の原種になります。 栽培されているものと比べるととても小さい実で、甘味も香りも強く地味に満ちた栗本来の味です。難...
木津宗詮10月11日1 分柘榴"ざくろ)花のミかこのみも ひらき わさはひを よそにさくろと 時得かほ成 右慈賢法印詠歌 季鷹書 賀茂季鷹が賛を書き、萩之坊乗円が描いた石榴図です。慈賢法印とは、浄土真宗 真宗木辺派(しんしゅうきべは)の本山錦織寺(滋賀県野洲市)の 18代 賢慈のことです。...
木津宗詮10月9日1 分鬼の念仏大津絵「鬼の念仏」です。 大津絵は名もない市井の絵師が画いた絵です。 この「鬼の念仏」は、慈悲ある姿とは裏腹な偽善者を、衣をまとった鬼を通して諷刺したものだそうです。 鬼は人の心の内にあるということで、描かれた鬼の角は、仏教で克服すべきものとされる最も根本的な三つの煩悩、す...
木津宗詮10月6日3 分当道座江戸時代、幕府の公認と保護を受て権威を持った盲人の集まりである当時、当道座は検校・勾当・座頭の階級にわかれ、音曲や鍼灸を独占し、公家の久我家に千両の金を納めて絶大な権力を持つ検校の位に着きました。そのため高利貸しをすることを認められていました。これは幕府による盲人保護の政策...
木津宗詮9月25日2 分秋の七草秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花 『万葉集』巻八 萩の花 尾花(おばな)葛花(くずばな)瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴(ふじばかま) 朝貌(あさがほ)の花 『万葉集』巻八...
木津宗詮9月24日1 分9月20日稽古場の床祇園の稽古場の床は、江戸時代後期の公家千種有功の「擣衣」です。花は木槿と段菊、秋明菊、金水引草、萩、矢筈薄を手付籠にいれました。 擣衣 正三位有功 やまかつのあさの ころもハたゝひとつ うつもしもよを なとかさぬら む...
木津宗詮9月19日2 分ご飯近年はパンやパスタや他の食品が多く食べられ、また、ダイエットということで敬遠され、お米離れが進んでます。それでありながら炊飯器は限りなく美味しいご飯が炊けるように進化し続けています。炊飯器に至っては世界一と言って良いのではないかと思います。少なくともジャポニカ米を炊くのには...
木津宗詮9月15日2 分9月14日 稽古場の床夜の自宅の稽古の掛物は、仙厓の月下打砧画讃です。一指斎好み昔籠に秋海棠、野路菊、木槿、金水引草、水引草、矢筈薄を入れました。かつて中国浙江省の天目山に赴いた時に、民家で使っていた砧を譲ってもらいました。それを書院に飾りました。 古人の所詠 乳もらふ 来る夜々更けて 砧かな...
木津宗詮9月15日1 分砧今から10年前に中国浙江省の西天目山禅源寺に赴きました。その時、付近の農家で使っていた砧の槌を譲ってもらいました。長年にわたり使われていてとても趣きがあります。昨日の稽古で書院に飾りました。 はじめ誤って東天目山に行ってしまい、西天目山に行かなければならないことに気づき、慌...