からたち・枳殻(きこく)

からたちの花が咲いたよ。

白い白い花が咲いたよ。

からたちのとげはいたいよ。

靑い靑い針のとげだよ。

からたちは畑の垣根よ。

いつもいつもとおる道だよ。

からたちも秋はみのるよ。

まろいまろい金のたまだよ。

からたちのそばで泣いたよ。

みんなみんなやさしかったよ。

からたちの花が咲いたよ。

白い白い花が咲いたよ。


 北原白秋の「からたちの花」です。「からたち・枳殻(きこく)」は、長江上流が原産で8世紀にわが国に伝わったミカン科のの落葉低木です。和名の「からたち」の名は「唐橘(からたちばな)」が詰まったものです。枝には長さ5センチにも及ぶ鋭い棘があります。そうしたことから防犯を目的に生垣に利用されます。そしてこの時期、甘い香りを漂わせる清楚な白い花をつけます花のあとには、産毛で全体を覆われた緑色の果実をつけ、秋には熟して爽やかな香りを放つ黄金色の実になります。ただし残念ながら強い酸味と苦味があるため食用にはなりません。