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執筆者の写真木津宗詮

柴扉不許酒肉(さいひしゅにくをゆるさず)

柴扉不許酒肉  

前大徳七十四翁大綱(印)


大綱宗彦一行 「柴扉不許酒肉」です。

「不許葷酒入山門(くんしゅさんもんにいるをゆるさず)」とこの七字を刻んだ石碑・石柱を山門の傍でみかけます。修行の道場である寺院内に、葷酒が入ることを禁ずる意を表し、修行僧の放逸を戒める句です。大綱は寺院に対するこの句を、わびの草庵の柴の門という意味で揮毫したのでしょう。

「葷」とは 五葷のことで、いわゆる臭気の強い五種の野菜です。大蒜(ニンニク)・小蒜(ヒル)・興渠(ニラ)・慈葱(ネギ)・茖葱(ラッキョウ)の五種で、これを食べると淫欲(いんよく)・憤怒(ふんぬ)が起こるとして禁じています。『梵網経』では、五辛を食べることを、四十八軽戒の一として誡めています。五葷は、五行(木・火・土・金・水)に対応していて、五臓(肝・心・脾・肺・腎)や五戒(殺・淫・妄・盗・酒)や五つの徳(仁・礼・信・義・智)などに対応しています。食べれば、五臓を傷つけることになり、また、精神的には五戒を破りやすく、五つの徳を失うからだそうです。



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