地蔵菩薩

更新日:2019年9月16日

奄訶訶訶尾娑摩曳(おんかかかびえい) 娑囀賀(そわか)と唱へなは 死ぬとていのちたすけ とらさむ  壬午夏日 黄檗八十三翁直拝題(印)

黄檗山の直翁の地蔵画賛です。毎年、8月24日前後に床に掛ける軸です。

「おんかかかびえいそわか」は地蔵の真言で、「おん」は帰依するとか供養する、「かかか」は地蔵菩薩の笑い声ということから地蔵菩薩のこと、「びさんまえい」とは「類いまれな尊いお方」、地蔵菩薩への賛歓の気持。「そわか」は、神聖なことばの最後につけて、その言葉の完成成就を願う気持を表します。そこで、「すべての人々が喜悦する不思議霊妙なご利益をお授けくださる地蔵菩薩へ帰依します。その成就あらしめたまえ」となります。 地蔵菩薩はサンスクリット語「クシティガルバ」の意訳で、直訳すると大地の子宮で、大地の母胎という意味になります。そこで包蔵という意味で捉えられ、「地蔵」と訳されたそうです。

『地蔵十王経』によれば閻魔大王の化身ともされています。別名として妙幢菩薩とも呼ばれます。もともと地蔵は『地蔵十論経』のなかに「よく善根を生ずることは、大地の徳の如し」とあるように大地の徳そのものを呼ぶ語だったとのことです。それが、バラモン教の大地の神「プリティヴィー」の信仰とあいまって擬人化し「地蔵菩薩」という仏教の修行者として誕生したというのが通説とのことです。現在日本でも土地の守り神のような立場におかれたりするのも、大地の神プリティヴィーの影響を今でも色濃く残しているといえるのでしょう。そこで髪がない剃髪、袈裟を身に着ける僧形で立像、坐像のほか半跏像もあり、左手に宝珠を持つ像と、左手に宝珠、右手に錫杖をとる例が多く、まったく持物を持たない場合もあります。 釈迦さんの入滅後から56億7千万年後に現れるという弥勒菩薩が、この世に出現するまでの無仏時代の救済をゆだねられています。地蔵菩薩は地獄をはじめ餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道の六道を回り、閻魔大王ほかさまざまなものに姿を代え人々を救済しているのだそうです。そして地獄道は檀陀地蔵(金剛願地蔵)、餓鬼道は宝珠地蔵(