• 木津宗詮

不変

 中国で好まれた「歳寒三友(さいかんさんゆう、松・竹・梅)」という吉祥図があります。厳しい寒さの中で、「松」や「竹」は常緑を保ち、「梅」は毎年必ず春の魁(さきがけ)として花を開いて清香を放つことから、特に松・竹・梅を厳しい環境の中でも節度を守り不変の心をもつものとして歳寒三友と讃えてきました。三友のうち、「竹」と「梅」は、離俗と隠逸を象徴する「蘭」や「菊」とともに「四君子(しくんし)」ともいわれました。また、「松」には不老長寿、「竹」には平安や子孫繁栄、「梅」には安産と子孫繁栄、そのほかにも「蓮」・「水鳥」・「魚」には豊かさ、「牡丹」には富貴、「桃」には長寿、「葡萄」・「瓢箪」・「石榴(ざくろ)」などには子孫繁栄、「鳳凰」には天下泰平、「蝙蝠(こうもり)には福、「鵲(かささぎ)」には吉兆、「水仙」には仙人すなわち長寿、「竹石」には祝寿などの意味をこめられてきま した。そしてこれらはは吉祥図として盛んに描かれ、今日まで広く親しまれています。

 青く清々しい竹に清楚さや繊細さ、そして優雅さを感じ、そこから心の安らぎと天然のぬくもり、繊細な自然のしなやかさを見出したことから「平安」の象徴となったのではないでしょうか。



 近衛豫楽院家煕の竹画賛です。

   色かへぬ竹のけしきに

     しるきかな万代ふへき

       君かよはひ

            は

 年中青々した竹。松同様、人は「常緑」というものに憧れるようです。人は不変も永遠も決して手に入らないものだと知っているからなのでしょう。

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