新樹妨月
大綱
心なくしけりにけりなわかみとり
のきはの月を余所にへたて丶
新樹妨月
心なく茂りにけりな若緑
軒端の月をよそに隔てて
大綱宗彦竪詠草「新樹妨月(しんじゅつきをさまたげる)」です。
「新樹」とは若葉が芽吹いてみずみずしい緑色をしている樹木のことで、新緑の樹木のことです。その新樹が無分別に茂ったおかげで、軒端の月が離れたところに隔ててしまいました。本当に風流心のない新樹だろうか。新樹も月も嬉しいものです。でも両立は難しいことです。
なおこの軸は両替町久田家八代の宗員が所持していまもので、背面にその旨が記されています。
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