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新茶

執筆者の写真: 木津宗詮木津宗詮

 今年の新茶・煎茶を味わえる季節となりました。心のゆとりを差し上げる仕事です。ところが、他人に提供しながら自分自身にはまったくゆとりがない。因果な商売です。

 今年は特に自分自身に全くゆとりがありません!新型コロナの感染拡大ですべての稽古がなくなり完全な失業者となってしまいました。また、他人にゆとりを差し上げることも出来なくなりました。茶道の最も大切なところは、極小の茶室で人と人とが顔付き合わせて一碗の濃茶を飲み回して心を一つにすることです。そうでなくても稽古場で私と稽古人が一緒に点前や茶の湯に関する清談をする。それが新型コロナの感染拡大のために、「三密」をさけ、飲食を共にすることをしてはいけなくなりました。本当に残念なことです。いくら注意してもウイルスは目に見えません。私も含め誰が感染者かわかりません。決して稽古場で感染者わ出してはいけません。また、仮に感染者が出て他の人に感染させらようなことは絶対にあってはならないことです。人命に関わることです。本当に悲しいことですが稽古を中止する他ありません。

 今年も親しくしているお茶屋さんや産地の方から新茶をいただきました。ほんのひと時、ささやかですが家族でゆとりを味あわせてもらいます。

 大綱宗彦「茶」詠草です。



 茶

しつかなる世を楽しミて天下

何国にるも宇治のわか草

        紫野大綱


 一時も早く終息して、世の中の人がみんなこの宇治の新茶を心静かに美味しくいただける日のくるのを切に願います!


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