述懐とは心の中の 思いをのべることで和歌の題の一つです。冷泉家では「じゅっかい」と読まず「しゅっかい」と読みます。世の中というものは憂いのあるもので浮世に過ごす身の不遇をいかに過ごせば良いか、心に思うことは通じないなどと詠みます。
近衛三藐院信尹の「述懐非一(一にあらず)」です。
述懐 非一
杉
おやをおもひ
子を
あはれむも
とりとりに
くらへくるしき物そ
有ける
![](https://static.wixstatic.com/media/f7e4dc_479efe1cf93a4deeb6bba7a54b32fc3c~mv2.jpg/v1/fill/w_130,h_173,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/f7e4dc_479efe1cf93a4deeb6bba7a54b32fc3c~mv2.jpg)
「述懐一に非ず」という題で、杉というのは信尹の一字名です。「とりとり」は踊り字ですが変換できなかったのでこのように書きました。
親はいつまでたっても子ども扱い、子は成長とともにいうことを聞かない、でも変え難いものです。今も昔も親と子への思いは比べようがありません。