古くから中国では丹頂が親しまれ愛されてきた経緯があることから、かって国鳥に選定しようとしましたが、丹頂の学名、英名ともに「日本の鶴」を意味することから、そのため「中国の国鳥としてはふさわしくない」という批判が相次ぎ、政府もこれを受けて決定をためらっているそうです。また同じく人気の高い「トキ」をという案もでたそうですが、こちらも学名は「ニッポニア・ニッポン(Nipponia Nippon)」と「日本」がついてしまうので未だに決まっていないそうです。
丹頂は、ツル目 ツル科 ツル属に分類されるツル。
夏季に中華人民共和国北東部、アムール川やウスリー川中流域で繁殖し、冬季になると朝鮮半島、長江下流域ヘ南下し越冬し、日本では周年生息(留鳥)します。
古くから「鶴は千年、亀は万年」といわれて長寿の生き物の代表とされています。実際、野生では20~30年の寿命で、それほど長生きではないようです。また亀は日本のイシガメ、クサガメなどでで30年~40年くらい、種類によっては100年以上生きるそうです。18世紀に探検家キャプテン・クックがトンガ王室を訪れたとき、トンガ王に献上した「トゥイ・マリラ」と名付けられたマダガスカル島のホウシャガメは、その後188年生きたそうで、当時のギネスで「確認できる中での動物最高齢」と認定されています。なお、昔話に、 亀の娘が鶴の若者の所にお嫁にいくことになりました。両家の家族はこれはとても縁起が良いと大変喜んだのですが、娘が「九千年も後家は嫌!」といったという笑い話があります。
いずれにしろ、古来、鶴は長寿を象徴する尊い鳥とされて今日にいたっています。
長
季鷹戯書
首長く口はしなかく
足長く
よはひも長く
よく揃ひ
鶴
首長く口ばし長く足長く
齢も長くよく揃ひ鶴
賀茂季鷹の「鶴」画賛です。「長」という文字を崩して鶴とし狂歌が添えられたまことに機知に富んだみごとな作で、わたしの大好きな軸の一つです。
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