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賀茂茄子

更新日:2019年9月16日

茄子には小切茄子から 米茄子などのような丸い茄子・千両茄子・水茄子・長茄子(通称)などたくさんの種類があります。茄子は長ければ長いほど美味しいのだそうです。小さな茄子も50センチにもなる長茄子まで種の数はほとんど同じです。だから長くて大きなものほど種と肉の割合いが種のほうが少なく、肉が多いので美味しいとのことです。茄子を選ぶ時はもちろん鮮度とか色も大切ですが、きるだけ長い物を選ぶほうがいいとのことです。広島の長茄子や長崎の長崎長という茄子は大きいものなら80センチにもなるものがあるとのことです。 さて賀茂茄子(加茂茄子)は京都市の北部、上賀茂神社のあるあたりでとれる伝統野菜です。直径が10センチ~15センチ、重さが300g~400gになるまん丸で濃紫色に鮮やかに輝くずんぐりとした丸い茄子です。一見丸茄子との区別がつきませんが、賀茂茄子はガクのつけねがすこしへこみ3つに分かれています。栽培には非常に手間がかかるそうです。JA京都のホームページを見ると、現在、賀茂茄子の生産農家は28戸、栽培面積約150アール(すべて露地栽培)、平成18年度の出荷量は約110トンとのことです。なお大半が露地栽培されているので、出回る時期も限られています。京都での収穫時期は6月中旬頃から10月中旬頃となっています。 なお、ウイキペディアによると、現在の伏見区鳥羽芹川に賀茂なすの起源があるという仮説があるとのことです。芹川で盛んに栽培されていた事から、大芹川という別名が生まれました。貞享元年(1684)の文献では左京区吉田田中地区にあたる地域でも栽培されていたという記録があるそうです。明治43年(1910)代以降に、北区上賀茂および西賀茂とその附近で栽培が始まり、2000年代にも上賀茂周辺では盛んに栽培され、京都市は同地域に特産そ菜保存圃を設置して農家に品種保存を委託しています。また、京田辺市や亀岡市、滋賀県などでも栽培が行われ、平成16年(2004)の統計では販売数量に占める生産地ごとの割合は京都市が44パーセント、亀岡市が20パーセント、綾部市が9パーセントとなっているとのことです。賀茂茄子は他の茄子にくらべ甘みがあり、肉質は緻密でよく締まり歯ごたえが違います。賀茂茄子の田楽は絶品です。 さて賀茂季鷹の賀茂茄子の画賛の軸を毎年稽古に使っています。季鷹はわたしの大好きな歌人のひとりで、和歌、狂歌双方に通じ、自在な技巧を用い、知的で明快な作風が特色です。この軸もまことに気のきいた楽しい作で、お気に入りの一軸です。ちなみにこの賀茂茄子画賛とはかつて3幅手元にあり、一本はある方に譲り、今も2幅所持しています。とても深い縁のある画賛です。


面白き節はなけれど望まれて さん茄子とも賀茂の季鷹


茄子には面白い節(点・ところ)は無いけれど、賛を書くように(三茄子に掛けている)と望まれたわたし賀茂季鷹(賀茂茄子にかけている)。

茄子が一つが季鷹の自画で、三つの分は誰が描いたものか不明です。「さん茄子」にかけてて三つ描かれているのでしょう。 なお、この軸からわかるようにウイキペディアの「明治43年(1910)代以降に、北区上賀茂および西賀茂とその附近で栽培が始まり、2000年代にも上賀茂周辺では盛んに栽培され」の記述は明らかに誤りです。季鷹は天保12年(1941に91才で没しています。少なくとも江戸時代末期に賀茂茄子は「賀茂」で間違いなく栽培されていたことがわかります。






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