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執筆者の写真木津宗詮

葵絵御本茶碗

昨日は葵祭でした。先代家元有隣斎の書付になる絵御本茶碗です。絵御本は寛永期から元禄期にかけて、釜山の倭館で、日本人の監督下に作られたものだそうです。双葉の葵が青黒い線描きで描かれたわびた茶碗です。




いかなればその神山の葵草

としはふれども二葉なるらん


小侍従「葵をよめる 」です。どういうわけで賀茂の神様が降臨された神山の双葉葵は、どれほどの年月が経っても双葉のままなのだろうか。


その双葉の間に花が付き種子ができます。そしてその種から新たな葵が生まれます。葵は密集して繁茂していきます。その瑞々しさはこの上もなく美しいです。まさに子孫繁栄です。



うちの子どもたちも、いずれ私たちの元から離れてしまい、妻と二人だけになります。すでに高3と中3になりかつてのように親しく接することも無くなりました。両親の元であどけなく遊んでいたことがとても懐かしいです。いつまでもあの頃のままでいて欲しいという思いがあります。でもそんなことではいけないという思いもあります。まさに二律背反です。本当に子どもというものはどこまでも親を悩ます存在です。せめて両親は健康でいつまでも「としはふれども二葉なるらん 」でありたいものです。


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