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執筆者の写真木津宗詮

5月16日 稽古場の床

妙心寺元管長山田無文の棒画讃です。南紀檜籠にお花は山法師、春紫苑、下野草、金糸梅を入れました。


道得三十棒

道不得三十棒 (印)


道(い)ひ得(う)るも三十棒 道(い)ひ得(え)ざるも三十棒



古来、臨済の「喝」徳山の「棒」として有名な言葉です。臨済義玄(ぎげん)は修行者との禅問答において「一喝」を飛ばして導き、徳山宣鑑(せんかん)は来る修行者には棒で打ち据えて、荒っぽく厳しく導きました。

答えても答えなくても三十棒を食らわせて許すことがありませんでした。常識的な判断では理解し難いことですが、この棒が徳山和尚の真の親切心なのだそうです。否定し否定しつくした絶対的境涯、言葉で表現できない心からの悟りの境涯を引き出すための三十棒とのことです。

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