先々代愈好斎と三代聿斎宗泉の参禅の師であった大徳寺僧堂師家川島昭隠老師の「一行流水之処月」です。
本紙の右上に「混沌未分之前試道一句(混沌未分の前試みに一句をいえ)」と小さく書いています。混沌とは天地がまだ分かれる前の混じり合っている状態のことで、それ以前のことを一句で言えという問いに、ある雲水が「一行」.すなわちどこまでも続く一本の道と答え、それをかか老師がそれでは不十分だとして、「流水之処月」と書き加えた軸です。
南宗寺の老師によろと、昭隠老師はこの答えを不十分ということで加筆していますが、この雲水の境涯を十分に評価し悟りを得たと認めているのだそうで、この軸はその証明書で「印可状」とのことです。
禅の悟りの境地などとは全く縁のない凡夫にはさっぱりわかりませんが、一筋の流水に月が煌々と輝く光景と思い稽古に使っています。
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