稽古場の床に小堀遠州筆になる冷泉為頼宛書状をかけました。貴船菊と白萩、野地菊、段菊、縞蘆をを11代一指斎好みの昔籠に。この籠は7代直斎の百回忌の記念に一指斎が好み百個造らせたものです。
内々御契約申候、拙者一首一紙
書進之也 恐惶謹言
月前暁鐘
かねのこゑも松のひゝきもたかさこの
おのへをてらす月の明かた
右の御返も承度奉存候、此次而竹の
なかつきおくり申候 以上
正(花押)
六日
宗甫
為頼様 拝上 小遠州
冷泉家10代為頼は江戸初期の公卿で、9代為満の子です。従三位権中将に至り、寛永4年(1627)に36才で歿しています。小堀遠州は冷泉為頼に和歌を師事しています。
かねて内々で和歌を詠んで贈る約束があったようです。それを今回認めて差し上げたことが記されています。その歌が「月前暁鐘」という歌で、それに対し為頼からの返歌を所望しています。そして後日、竹の中次を贈る旨も書かれています。
Bình luận