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ゆとりと潤い

以前、前の戦争で一番に徴兵猶予が停止され、動員されたのが歴史と哲学、国文学を学んでいた学徒だったと聞きました。これを見て納得しました。厳しい時代になると文学部の風当たりが一番に厳しくなる。近年も国立大学で文学部が不用といわれていました。まさに教養軽視で、即お金になる学問が重視されてます。

今回の新型コロナ禍がいつまで続くかわかりません。それにより経済が大打撃をうけ、社会が大きく変化していくことが十分に予測できます。これまでも経済界では文学部が軽視されていましたが、ますます拍車がかかるので間違いありません。文学部が無用だと決して思っていませんが、残念ながらこれが現実です。

大学の学問に限らず、私の携わる茶の湯も同様です。前の戦争で多くの先人たちが辛酸を舐めました。それでも祖父や曽祖父たちはそれに耐えて家職を細々と継承してきました。人に心のゆとりや潤いを与える大切な仕事だからこそ必要とされたのも事実です。だから決して滅びることはないと信じています。淘汰されるものが現れるのは間違いのないことです。ただし完全に滅びることはなく、誰かが生き残るはずです。四百年余りにわたり継承されてきたものです。明治維新や前の戦争などかつてない困難な時代を生き抜いてきたのですから。新年早々悲しく、そして残念なことを書きましたが、これを今年の教訓にしていきます。今の時代、間違いなく同じ道を歩んでいるように私には思えてなりません。


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