冷泉為村賛になる狩野常信画「時鳥図」を掛け、背負い篭に宗旦木槿と桔梗・河原撫子・檜扇水仙・矢筈薄わ入れました。
ふな人もゆくゑを
しらしほとときす
由良のとわたる
夜半の一聲
為村
「由良のと」のとは、漢字で書くと「門」という字をあてて河口のことをいいます。京都府北部の宮津市と舞鶴市の境を流れ若狭湾に注ぐ由良川の河口を、舟が渡っています。その上を時鳥が、例の甲高い声で一鳴きして飛び去っていきます。その舟を漕ぐ舟人には、時鳥はどこに飛んでいくのかその行方を知ることがない。
昨夜も我が家の上を時鳥が一声あげて飛び去っていきました。はたしてどこを目指して飛んで行ったのやら。