木津宗詮2023年4月4日1 分嵐山江戸時代中期の公家岩倉具選(ともかず)の嵐山画讃です。 みよしのゝ吉野の はなにくらべても たぐひあらしの 山桜哉 今年は桜の開花がとても早かったです。先日、伊勢に行った時、遠山は雲がかかったように桜がゆかしく咲いていました。嵐山もそろそろ終わりだと思いますが、山の桜は今が...
木津宗詮2023年4月3日2 分篝火篝火にたちそふ恋の煙こそ 世には絶えせぬほのほなりけれ 行く方なき空に消ちてよ篝火の たよりにたぐふ煙とならば 『源氏物語』二十七帖「篝火」の光源氏どうこう玉鬘の贈答歌です。篝火とともに立ち上る恋の煙は永遠に消えることのないわたしの思いなのです、と篝火の煙に自分の恋心を表わ...
木津宗詮2023年4月2日1 分4月1日 稽古場の床3代聿斎宗泉の雛画讃です。花は加茂本阿弥椿と金梅花を竹一重切花入に入れました。 夫婦(めおと)別礼儀正しき雛(ひいな)かな 聿斎(花押) 決して差別ではなく、それぞれに区別があるということです。 お雛さんというと3月3日ですが、どうも今の暦では実感がわきません。実際、桃の花...
木津宗詮2023年3月26日2 分春雨江戸中期の公家烏丸卜山(光胤・みつたね)の懐紙「春雨」です。「卜山」は光胤が入道したのちの号です。 日を経れば咲きそうもげに春雨の 恵みを木々の花の父母(かぞいろ) 春雨とは、春に降るやさしい雨のことをいいます。ようやく寒い冬が終わり、万物に春の陽気が満ち、人の心も朗らかに...